カテゴリ:高座の記録のエントリー一覧
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270.男の井戸端会議~落語家ミドルチーム奮闘記~
それにしてもつくづく我々はお喋りな連中である。その日の議題は、いかに寄席小屋へお客様に足を運んでもらうかということだった。大阪市西区・千鳥橋「此花千鳥亭」という寄席小屋で、毎週木曜日のお昼に開催している「ミドルチームによる木曜寄席」。芸歴25年から40数年の12名が毎週3名ずつ順繰りに出演している。しかし、コロナ禍以降、観客動員が芳しくなく、このままでは存続が危ういという危機感が漂い始め、その対策につい...
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186.わからんけどわかった~古典芸能はアタマに気持ちイイ!~
2017年1月16日、天満天神繁昌亭にて(撮影:相原正明) 「わからんけどわかった」これまであちらこちらに落語を出前させてもらったなかでもっとも印象に残った一言です。 それは京都のある小学校でのこと。「これまでに落語を生で聴いたことある人は?」というぼくの問いかけに、100名近くいるうちのおよそ半分がサッと手を挙げた。「へぇ、誰の落語?」と尋ねると、その手が皆、ぼくを指さした。「そうか!?……毎年ここは5年生と6...
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120.お茶子さん~かすみ草という美学~
お茶子さんとは”かすみ草”である。花束には欠かせない存在。どことなく謙虚で控えめな姿が美しい。ぼくらはその”かすみ草”の気遣いに支えられている。さて今回は、”かすみ草”=お茶子についての記である。繁昌亭のお茶子・稲島桂子さん今、ぼくは『大阪府保険医雑誌』という開業医向けの月刊誌にコラムを連載させてもらっている。『桂蝶六の落語的交友録』というコーナーを担当。次号でこのコラムも49回目となる。この日は、その取...
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115.再開「落語と狂言の会」
ぼくが公演として狂言を演じるのは、実に3年ぶりのことであった。「ぼくもこういう形での狂言公演はそれぐらいになるかなあ」と彼。写真は、先日、京都・六孫王神社において開かれた「落語と狂言の会」の模様である。(撮影:相原正明)落語家のぼくが何故「狂言」の稽古を始めるようになったのか?それは後に狂言の師となる先生から頂いたこんな言葉がきっかけだった。あるコラボレーションイベントでの一コマである。「蝶六君、...
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114.蝶の花道
『第14回・蝶六の会~蝶の花道~』。開場前から大勢のお客様にお集まり頂きました。おかげ様で満員御礼。天神祭り宵宮ということもあり、当日のお客様用に取っておいた補助席もほぼ満席と相成りました。この時期、ミストシャワーがお客様を出迎えます。その頃、楽屋では緊張をほぐそうと、わざとおどけるぼくでした。初代桂花團治の曾孫にあたる山田りこさんも激励に駆けつけてくれました。さあ、いよいよ出番。日頃から神信心な...