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2012年08月のエントリー一覧

  • 19.四股踏みレッスン

    元最年長力士の一ノ矢氏と能楽師で身体技法の研究でも有名な安田登氏。そんな二人によるこんな対談を見つけた。「能楽師の場合は、お相撲のようにきつくないので、逆に若い頃はダメだったのが65くらいを過ぎると急にすごくうまくなる人がいます。となると、その人は5歳くらいから始めたとして、60年間へたくそだって言われつづけて、65になって急にうまくなったってことなんですよね。」「若い頃は表面的な筋肉を使ってしま...

  • 18.古を稽ふる

    十数年ぶりに再会した彼はすっかりみちがえっていた。あれほど猫背でどこかに暗い影を落としていた彼がすっくと立ち、誰よりも周りに光を放つ存在になっていた。今は立派に日本舞踊の名手としてその名を知られている。私と初めて出会った頃、彼は大学生で芸術関係の道を目指していたものの将来に関してまだ漠然としていた時期であった。大学の教官から紹介された私は、落語会の裏方などを時折手伝ってもらっていた。「あの頃、蝶六...

  • 17.心身と発声

    大阪のとある高校に呼ばれて落語ワークショップを行うことになった。担当の教師からはとにかく「声を出す」ということをやらせて欲しいという要望があり、それで私はとりあえず「寿限無」や「東の旅の発端」といったテキストを元に講座を進めていった。台詞がある程度入った段階で全員に相撲の四股踏みの格好になってもらい再度反復してもらう。この四股踏みは早稲田小劇場の鈴木メソッドに倣ったもので、これにより腹の底から声を...

  • 16.落語の体験授業

    先日、大阪のとある小学校の教諭を通じとても嬉しい便りが届けられた。この学校では落語の体験授業をきっかけに落語クラブが発足していた。先日その発表会が開かれ、後日児童や保護者の感想文をまとめたものを学校側がわざわざ届けてくれたのだ。「人前に出ることが苦手だと思っていた我が子が落語会に出ると聞いて正直意外だった。当日はどうなることかと心配でしたが堂々とした姿に驚きました。私の知らない間に娘はこんなに成長...

  • 15.落語の立ち位置

    全ての表現物はプロパガンダである。どういう立場から描くかによって同じ歴史上の出来事であっても全く趣が変わってしまう。例えば、能や歌舞伎の題材にもなっている「藤戸」の戦い。今からおよそ800年前、日本では源平の戦いが繰り広げられていた。藤戸は当時の地名で今の岡山県倉敷市の辺り。小島が点々と並ぶ比較的浅瀬の多いところだ。そこで源氏と平家は海を挟んでのにらみ合いを続けていた。源氏はすぐにでも攻め入りたかっ...

  • 14.アドリブ考

    「アドリブ」という言葉がある。辞書では「即興」と訳されている。元々業界用語だが今は一般にもずいぶん馴染みの言葉である。私はある先輩芸人にこう言われた。「芸人にとってのアドリブは世間で言うアドリブとはちょっと意味が違うんやで」。世間一般的にアドリブとは突発的にその場の思いつきで台詞を発する事を指すようだが芸界ではそれでは通用しないと言うのがその先輩の主張である。先輩曰く、芸界でのアドリブとはその場の...

  • 13.照らされて

    「定吉」「旦那さん、何ぞご用で?」「先ほどお前に言いつけておいた金魚鉢の水は替えてやったかいな」「へえ、替えておきました」「で、どこの水を入れてやった?」「へい、あの、銅壺の」「ドウコ?これ、胴壷と言うたら湯と違うか」「へえ、そうでおます」「そうでおます?・・それで金魚はどうしてますな?」「結構な風呂ができたなあてな顔してええ具合に横になって寝てはります」「そら何をするのじゃ。死なしてしまってどう...

  • 12.落語発表会パンフより 1

    2012年8月18日(土)14時~高津神社にて開催「第6回愚か塾 落語発表会」パンフレットより抜粋。催しの詳細はホームページ桂蝶六公式ホームページ「蝶六の出番です」をご覧ください。「平林」愚々亭楽娘(大江香陽子)かつて大阪の商家では、住み込みで働きながら仕事を覚えていくといった制度があった。丁稚の年齢は一番下の子で七、八つ。つまり、今で言うなら小学一年生のまだ子どもである。旦さんは丁稚の定吉のこと...

  • 11.実況アナウンサー・吉田勝彦先生

    厚かましさでは全国的に定評のある大阪だが、商人の間には「下駄を預ける」という美しい風習が今もちゃんと残っている。例えば、店主に曜日を尋ねたとする。「今日は何曜日でしたかいな」に対し、「今日は月曜日です」とは言わず「ええっと、月曜日と、ちゃいまっしゃろか?」と応える。つまり、“結論を相手に委ねる”というのが大阪流であり「下駄を預ける」作法。これにより預けられた相手は優位に立つことになる。優位に立った相...

  • 10.人は変われる

    私はずいぶん根にもつタイプである。ついこの間まで小学生の頃の出来事をずっと引きずりながら生きてきた。小学生の頃の私は今以上にかなり不器用で覚えも人一倍遅かった。例えば掛け算の九九なども何度口にしても覚えられず、来る日も来る日も一人教室に居残りをさせられていた。その時の担任は本当に辛抱強く付き合ってくれて本当に感謝している。しかし、学年が変わってある一人の新任教師だけはずっと許せないままでいた。それ...

  • 9 .なぜ落語の道を選んだか?

    大宅小学校のみなさんへ(感想文へのお返事)返事が大変遅くなってごめんなさい。ちょうどこの返事がつく頃には、皆さんは夏休み中でしょうか?「ようこそアーティスト とくべつ授業」では、本当にありがとうございました。皆さんの笑顔が私にとって何より励みになりました。感想文も全部読ませていただきました。こうして届けられた皆さんの作文は私の宝です。色々悩んだすえに入った落語家の世界ですが、こうやって楽しんでくれ...

  • 8.聴く・学ぶ

    一面において物事の道理に暗いのは、かならず他面において物事の道理に明るいからである。一面において物事の道理に目を塞がれているのは、かならず他面において物事の道理に通じているからである。一一(部分としてのありかた)は、そうなるほかはない。そもそも、ひとが生きていけば、かならず習慣に染まる。習慣に染まれば、その生地を見失う。そのばあい、習慣のせいで物事の道理に暗いのは、学問によって治療できるが、学問の...

  • 7.書くということ

    教授がこんな話をして下さった。「私にも師匠がいましてね、その師匠によく言われたものです。とにかくまず楷書で“文章”が書けるようになりなさいって。書けるようになれば話すのが上手くなる。書ける人は話が上手い。でも、話すのが上手だからといって書くのが上手いとは限らないって」。この住岡英毅教授の専門は教育社会学で、私を大学に推してくれた大恩人であり上司でもある。だが、その一方では私の主宰する落語塾の稽古人の...

プロフィール

蝶六改メ三代目桂花團治

Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

http://hanadanji.net/

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