2014年09月のエントリー一覧
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118.蝶の花道~蝶六の名の由来~
ぼくが入門した頃、『小さな春の会』という落語会があった。春団治一門が集う会である。その中心メンバーがぼくの師匠、故・二代目桂春蝶。その頃、ぼくの芸名はまだなくて師匠はずいぶん決めかねているようだった。でも何となく師匠のなかでは『胡蝶』ということに決まりかけていたようだ。その当日、楽屋には師匠と春之輔師匠とぼくの三人きりだった。まず話を切り出したのは、師匠の弟弟子にあたる春之輔師匠だった。「春蝶兄さ...
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117.チンドン・あめちゃん・寄席囃子
チンドンを生んだのは飴ちゃんである。昔、大阪千日前のテキ屋さんのところに『飴勝』という若い衆。この方は飴を売る口上が実に上手い。その頃、大阪では寄席のポスターを禁止されていた。「それじゃあ」ということで、頼みの綱となったのがこの『飴勝』さんであった。『飴勝』さんは、飴売り口上の節で寄席を宣伝して廻った。すると、これがかなりの評判となり、やがてこの方は「代理宣伝業」を生業とするようになった。つまり、...