2017年07月のエントリー一覧
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194.叱るむつかしさ・叱られるありがたさ~落語の授業にて~
その瞬間、ぼくは「ああ、またやってしまった」と後悔した。出講するマスコミ系の専門学校で、思わず学生の一人を怒鳴りつけてしまったのだ。事の発端はこうだ。ぼくの授業は最初に皆で大道芸の口上を口にするのが決まりで、その日もかなり大きく発声していた。とその時、他のクラスの学生の一人が焦った表情で教室に入って来た。「教室の前でドラマのロケをやっていますので静かにしてください!」。あちらも実習ならこちらも授業...
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193.楽しい「声」で賑わいを~落語と狂言のワークショップin大阪福島さばのゆ温泉~
◆「第3回浅田飴のまちおこし」の詳細はここをクリック!◆大阪福島「さばのゆ温泉」はここをクリック!言葉の掛け方ひとつで患者の様子が変わるんです。演劇人の一人として、いかに言葉が大事か、思い知らされました。以前、狂言師の金久寛章が大学の看護学生を前にこう言った。大学で狂言演習を指導する金久寛章彼は大阪芸術大学の舞台芸術学科を卒業後、『劇団四季』に入団したものの、すぐに緑内障を患い、三か月の入院を余儀な...
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192.芸人の危機管理~アドリブとは備えのことなり~
あれは30年以上前、タクシーでの移動中だった。師匠がポソッとこんなことを漏らした。「あいつなぁ、普段は腐った魚みたいな目ェしとるのに、こういうことがあると俄然イキイキしよる」あいつとは、師匠のマネージャーのこと。こういうこととは、仕事上のあるトラブルのことだった。この時はダブルブッキング(同じ時間帯に仕事が重なること)だったが、マネージャーのトラブル処理は目を見張るものがあり、臨機応変に動いてはみご...