2018年05月のエントリー一覧
-
210.「月亭可朝」と「若井はやと」の伝説~誰が喋ってもオモシロイ台本でウケてもオモシロないがな~
月亭可朝師匠が亡くなられた。ギター漫談で売り出し、自ら作詞・作曲した「嘆きのボイン」は80万枚のヒットを記録。トレードマークはちょび髭とカンカン帽だった。(ちなみに、このカンカン帽はまとめて大量に購入していたそうだ。「お客が欲しがりよんねん。帽子にサインしてあげてしまうもんやから何ぼあっても足りへん」とおっしゃっていた)『嘆きのボイン』1.ボインは 赤ちゃんが吸うためにあるんやでお父ちゃんのものと違...
-
209.命懸けの道成寺~能はロックだ!?~
”大鼓”と書いて”おおつづみ”と読みます。「カーン」という乾いた音色が特徴ですが、実はこの楽器、「世界で一番硬い楽器」だそうです。 ”小鼓”は「ポンポン」と水を含んだような音ですが、”大鼓”は乾いた高音。”小鼓”はたえず息を吹きかけたりして湿らせた状態にします。時折、舞台上で革にハァーしてる姿を見受けます。余談ですが、モノを冷ますときの息はフゥーで、温めるときの息はハァーですよね。ちなみに飲酒検問のときはハ...
-
208.映画『福井の旅』と『男はつらいよ』~はみ出しものの視点から~
その兄弟子は、もうどうしようもない落語家だった。平気で仕事に穴をあける、朝から酒浸り、自分勝手、飽き性、協調性ゼロ……とにかくだらしがないこと、このうえない。でも、どこか憎めない。 ある日、そんな兄弟子から弟弟子のもとへ一本の電話。「とにかく福井まで来てほしい」という。それだけ言うなり、プツッと電話を切った兄弟子。大阪でラジオのレギュラー番組を持ち忙しい弟弟子は、「何でぼくが福井にまで……」と訝りなが...