2018年11月のエントリー一覧
-
218.思いやりの破門~死に際に見せた師匠の流儀~
「お前ら三人ともみんな出ていけ!わしは弟子なんかいらん」それまでにも何度か「破門」をくらっていたが、この時ばかりはこれまでとは違う何かしら重みを感じた。師匠(先代桂春蝶)の芸にはどこか哀愁みたいなものがあって、「これでもか」と押して笑いを獲りにいくのではなく、フッと零れ落ちるさりげないひと言に可笑しみがあった。いわゆる浪花の代名詞のようなコテコテとは対極で、ある評論家は師匠のそれを指して「引きの芸...