2019年04月のエントリー一覧
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222.初めてあぐらをかいた日~師匠からのお免状~
師匠(先代桂春蝶)のもとに入門して、まもなく10年を迎えようかという頃だった。ぼくはその日、師匠の家で晩酌のお相手をしていた。当然、師匠の前ではしっかり正座の姿勢である。とその時、師匠がおもむろに切り出した。「蝶六(ぼくの前名)はうちに来てどれぐらいになる?」「かれこれ10年近くになります」「そうか・・・足を崩したらどないや」ぼくは一瞬耳を疑った。これまで師匠の前で足など崩したことがない。躊躇していると...