2020年05月のエントリー一覧
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232.祝うて三度でご出棺~別れの言葉はサヨナラじゃなくて~
亡くなる十日ほど前だったか、がん患者によく見られる皮膚の突起が義父の額の真ん中にもくっきりと表れるようになった。義父は自身のそれを指しながら「お釈迦さんみたいやろ」と子どもみたく笑った———。コロナ騒ぎの緊急事態宣言により、全てに自粛が叫ばれるなか、女房の父が静かにあの世へ旅立った。葬儀は三密を避けるため、ごく身内だけで執り行うことになった。その通夜を済ませた夜に女房の兄貴・つまり義兄が電話でぼくに...