2021年06月のエントリー一覧
-
247.時代に翻弄された落語家~初代&二代目・花團治クロニクル
◆初代春団治やエンタツ・アチャコと共にナンセンスな演出などで一部の評論家から「落語の破壊王」と批判の対象になることもあった爆笑王・初代桂春団治。漫才師として初めてスーツ姿で舞台に立ち、それまで音曲が中心だった萬歳から音曲を無くし、しゃべくりのみに変えた「近代漫才の父」横山エンタツ・花菱アチャコ。初代・二代目花團治は、こうした時代の変革者たちと同時代に生きた咄家でした。1875(明治8)初代花團治生まれ...
-
246.戦時下を生きた芸能~”笑い”という名の毒を飲む~
襲名をして以来、毎年6月になるたびどうしても戦争のことが頭をよぎってしまう。先代の二代目花團治が1945年(昭和20年)6月15日に大阪空襲の犠牲になっているからだ。遺族によると、防空壕の入り口で亡くなっていたらしい。しかも、襲名してわずか一年後のこと。どれほど無念だったろう。後列左から三人目が二代目花團治(写真提供:前田憲司)あれは今から35年ほど前、落語家に入門して3年ほどだったぼくが、地方のある敬老会に...