2023年08月のエントリー一覧
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275.六十の手習い ~花團治、レクリエーション介護士になる~
ぼくの師匠(二代目桂春蝶)は、弟子を叱るとき、くどくど小言を重ねる人ではなかった。ぼくが何かしくじった時、何がどういけなかったのか、これからどう努めていけばいいのかを自分の頭で考えさせ、それを自らの口から言わせた。それをひとしきり聴いた師匠は、最後にひと言だけ「次はないぞ」と呟いてその場からスッと立ち去っていく。もしも師匠が矢のように小言を浴びせる人だったら、ぼくは反省どころか反発していたかもしれ...