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104.福井の町づくり、人おこし、こけら落とし

1月4日は師匠の命日。
以来、この日は毎年墓参りと決めている。
それに今年は、
福井駅前寄席『きたまえ亭』のこけら落とし。
ぼくにとってこの日は
これまで以上に大きな意味を持つことになった。


春蝶のお墓2
墓碑に書かれている『春蝶』の文字は、司馬遼太郎先生によるもの。
平成5年1月4日没、享年51歳。


福井駅前寄席『きたまえ亭』。
毎週土曜日の開催。
市民の浄財によって建てられた小屋である。

「福井を元気にしたい」「落語が好きだ」
「楽しそうだから」「人のお役に立ちたい」
ボランティアの方々の思いは様々だが、
本当に良い人材が集ってくれたと思う。

「きたまえ寄席」反省会
暖房のこと、客入れのこと、宣伝のこと、役割分担のこと、
終演後のスタッフは本番のとき以上に真剣な眼差しである。



このボランティアの方々を見ていて思い出すのは、
かつて客演として全国を廻らせてもらった劇団
『ふるさときゃらばん』での日々だ。

現在は、『新生ふるきゃら』として活動を続けている。
新生ふるきゃら

『ふるきゃら』の行く村々には、
公演のための実行委員会が設置された。
それがその土地の村おこしの核と成長して、
村全体を巻き込んで元気人を繋いでいった。

「人が輝けば、町が輝く」
「人おこしは、町おこし」


毎日、そんな思いを背負って劇団員は旅をした。

その様子は、『ふるきゃら』の前身、『統一劇場』を
モデルにした映画『同胞』にも描かれている。

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ある時、劇団員の一人がぼくにこう言った。
「俺たちは風なんだよ。土になれないんだよ。
 だって、明日は他所の土地へ行くんだよ。
 だからさあ、せめて良い種を落としていきてえ。
 そうは思わねえか」


この言葉は
宿泊先の旅館の囲炉裏や劇団員のジャージ姿と共に
今も鮮明に覚えている。

今回の寄席は毎週土曜日に開催される。
きっとあの頃以上に何か残せるに違いない。


福井駅前主宰の鳴尾健氏とは27年のお付き合いになる。
ここ20年あまりはずっと年賀状のやり取りだけだった。
それが昨年、鳴尾氏から突然の電話があった。
『ふくい町物語』という「町づくりシンポジウム」への出演依頼だった。
ちょうどその頃、ぼくはウェブの編集学校に学んでいた。
それで、まさにその瞬間は、「町おこし企画」という課題に
取り組んでいる最中でもあったので、
その妙な符合に可笑しさがこみ上げてきた。


さっそくぼくは、鳴尾氏とのスケジュールを調整して、
福井へ出向くことになった。
この時、鳴尾氏が口にしたのが「寄席小屋開設」の計画だった。

「きたまえ寄席」創立3名
最初の具体的な打ち合わせは、大阪北浜のバー「フレイムハウス」で行われた。
右から代表の鳴尾氏、ぼく、事務局長の木川氏、



「福井で寄席を作りたいねえ」という言葉は、
確かぼくが『福井放送』でパーソナリティーを始めた頃にも
そのスタジオで鳴尾氏から聞いている。
当時、鳴尾氏は『福井放送』のアナウンサーだった。
・・・・・・あれから27年。
鳴尾氏はずっとその思いを大事に抱き続けていた。
今、氏は『福井街角放送』の代表である。


「きたまえ寄席」鳴尾氏、袖から
この日、『きたまえ亭』は鳴尾氏の落語から始まった。
ここでは社会人落語家が前座を勤めることになった。



今、ぼくが何とか落語家としていられるのは
大げさでもなく「福井の町と人」のおかげである。
入門してわずか3年あまりのぼくに、
よくぞ4時間半もの番組を与えてくれたと思っている。

「露草のつゆ 身に光るものを持たず」

福井は人を温かく育てる、包容力に溢れた町である。

今、ぼくは51歳。師匠が生きた年月である。
このタイミングで、来年、襲名することが決まった。
そして、毎週土曜日のこの『きたまえ寄席』。
ぼくにとっては、格好の鍛錬の場である。

ぼくはまたこの町に甘えることになるが、
この寄席が、ここに集う元気人の集まりが、
また何か次の兆しを生むきっかけになれば、
それが一番嬉しい。

「人が輝けば、町が輝く」
「人おこしは、町おこし」




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蝶六改メ三代目桂花團治

Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

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