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112.劇表現を教育に”ぼくのお父さんは桃太郎ってやつに殺されました”~大阪青山大学学生の皆さんへ~

桃太郎ってやつに殺されました
2013年新聞広告クリエイティブコンテスト・最優秀賞
http://matome.naver.jp/odai/2138197151341220701



前回の授業は、俳優・金久寛章先生を迎えての"狂言"ワークショップでした。
というわけで、今回は、
誰もが知っている『桃太郎』を狂言にして遊んでみました。

金久講習、やい聞くか!
アンコールにお応えして、金久先生にはこの前期の終わり頃に再度お越しいただく予定です。

(桃太郎)これはこの辺りに住まいいたす桃太郎でござる。
近頃、鬼が出て、盗みを働いたり、いたずらをしたり、我
々人間を困らせるによって、これからちと、鬼ヶ島へ参り、
鬼を懲らしめに参ろうと存ずる。それにつき、身共一人で
は敵いませぬによって、共の者を連れて参ろうと存ずる。
誰か、共はおらぬか。
(犬)びょう、びょうびょうびょう。
(桃太郎)おお、それに出たは、犬ではないか?身共はこ
れから、ちと鬼ヶ島に鬼退治に行くによって、そなた付い
て来い。
(犬)びょう、びょうびょうびょうびょう、びょう
(桃太郎)何?腹が減っては戦ができぬ。よいよい。ちょ
うどここに、ばあさまが持たせてくれた吉備団子がある。
これをそなたにやろう。
(犬)びょう、びょうびょうびょう。


馴染みの深いお話しだけに、
皆さんの声もいつもより出ていたように思います。

青山授業風景、しゅわっち
大阪青山大学子ども教育学科。将来の保育士、小学校の先生方です。

そこで今回、皆さんにも一緒になって考えて頂いたのは、
「鬼の言い分」でしたね。


猿や雉を仲間に加えた桃太郎は3匹を従え、鬼ヶ島にいざ出陣。
犬がかみつくやら、猿がかきむしるやら、雉が目を突くやら。
鬼が降参。

(鬼)ああ、参った参った。まず待たせられい、まず待たせ
られい。
(桃太郎)何じゃ?まず待たせられい?
(鬼)なかなか。ちと身共の話も聞いてはくだされい。
(桃太郎)何じゃ?そなたの話を聞けと言うか。
(鬼)なかなか。



さて、この後、鬼は何と応えたか?
というのが、今回の課題でした。

ぼくが皆さんにこの設問を投げかけたのは、
授業のなかでも紹介したように、
以下のブログに出会ったのがきっかけでした。



ぼくのお父さんは桃太郎ってやつに殺されました ↓↓↓
http://matome.naver.jp/odai/2138197151341220701


桃太郎と鬼 ↓↓↓
http://www.aboutworks.com/shokodei/diary/read?200208b05


ペプシ『桃太郎』の映画化には何が必要か? ↓↓↓
http://oookaworks.seesaa.net/article/391848635.html


上記のブログについてみんなで話し合った後、
それぞれの回答、ぼくもずいぶん楽しませて頂きました。
では、その一部だけですが、紹介させて頂きます。


「盗んだものは実はもともとわしらのもの。
それをただ取り返しにいっただけのことでござる」(A・D男子)


今、取り沙汰されている領土問題を彷彿させられました。(六)


「わしらとて生きるためには食べ物がいる。
さりとて、この島は木が枯れ、水もなく、どうにもならぬ。
悪いこととは存じてはいれど、これも致し方なかったのでござる」(H・R男子)


共存の方法があればいいですね。(六)


「今じゃ。隙あり!・・・・・・」(S・Y男子)

今回の設問の主旨とは少し外れますが、つい笑ってしまいました。
何だか大喜利みたいになってきましたね。(六)


「そなたの正義は身共にとっては悪。身共の正義はそなたの悪」(T・Y男子)

立場によって正義と悪が相反する。(六)


<strong>「身共は人間と仲良くなりとうて近づいたまでのことじゃ。
さりながら、鬼は人間を襲うという考えじゃによって、
そなたらは身共に攻撃をしかけた。
それを防ごうとしてこうなったまでのこと」(A・M女子)


なるほど。先に仕掛けたのは人間たち。
そういうドラマがあったんですね。(六)

今回のテーマは、

「狂言の型を取り出してみる」
「それぞれの立場に立って考えてみる」


・・・・・・ということでした。


さて、ここで皆さんに是非読んで欲しい本があります。
いずれ授業でも取り上げてみたいと思いますが、
「もし、桃太郎ではなく、桃子さんだったら~」という内容。

「男女共同参画」問題を考えるうえで、お薦めの名著です。

モモタロー・ノー・リターン&サルカニ・バイオレンス―昔むかし、ジェンダーがありましたとさ…モモタロー・ノー・リターン&サルカニ・バイオレンス―昔むかし、ジェンダーがありましたとさ…
(2011/04)
奥山 和弘

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次回からは、いよいよ本格的に落語の稽古を始めます。
どうかお楽しみに。



桂蝶六のホームページはこちらです


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蝶六改メ三代目桂花團治

Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

http://hanadanji.net/

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