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138.襲名秘話~東京公演に向けて~

露草のつゆ、身に光るものを持たず

露草のつゆは自ら光っているのではない。
我々咄家は、周囲に照らされてこそキラリ輝る露草のようなもの。
先代の春團治師匠の御夫人に教えてもらって以来、
ぼくが色紙に好んでよく書く言葉です。

ぼくの襲名披露公演はまさにこの言葉通りでした。

ブログ:アゼリアホール前の列
襲名披露の皮切りとなった池田アゼリアホール。撮影:相原正明


ぼくの新しい出囃子は、亡き師匠・先代春蝶が使っていたものです。

「井出の山吹」

兄弟子らは「そら、お前が使ったらええがな」と言って下さり、
現・春蝶くんは「兄さんにぴったりやと思います」と言ってくれ、
お恐れながら、不肖花團治が使わせていただくことになりました。

師匠の鞄持ちとして何度も聞いた旋律です。
出囃子がなり始めた瞬間、そこに先代春蝶の姿が浮かびました。

丸坊主の青年は、師匠のボストンバッグを肩に
前のめりになりながらもただ後を追うという毎日でした。

走馬灯のようにとは、まさにこのことでした。


でも、感傷に浸っている場合ではありません。

大勢の先輩や仲間、後輩が集まってくださいました。


ブログ:春之輔師匠と

ブログ:合田先生

一番ぼくを多く叱ってくれた方が、一番後ろ盾になってくださいました。
楽屋には、ゴッドハンドの合田先生が常駐してくださいました。
(撮影:相原正明)


襲名披露、ざこば師匠と。
「おい、花團治!わしと記念写真を撮ってくれ!!」とざこば師匠。(撮影:初代花團治ひ孫の山田りこ)


ブログ:花團治ご遺族の方々と
初代花團治のご遺族の方々と。(撮影:相原正明)

ブログ:藤井百々、春野恵子
プロジェクトの制作担当の藤井百々さん。
企業研修のお仕事をいただいて以来、ずっとアドバイザーとしてサポートしてもらってます。
手前は、浪曲師の春野恵子さん。


ブログ:皆様からいただいた花

ブログ:澤田隆治先生の花
ロビーを埋め尽くしたスタンド花。
かつて演芸プロデューサーに憧れ、大阪芸大に入学しました。そのきっかけとなったのが、澤田隆治先生でした。
撮影:相原正明

ブログ:金久寛章さん
ぼくの着物のしわ取りに没頭する狂言師・金久寛章さん。撮影:相原正明


ブログ:先導を務める小春團治、梅團治
襲名のプレイベント「船乗り込み」では兄弟子らがぼくの船を引っ張ってくださいました。
船は、放送芸術学院専門学校の学生たちが製作しました。
(撮影:相原正明)



一時は腐りそうになりながらも咄家を続けて良かった。

ずっと支えてくれてありがとうございます。
あの時、叱ってくれてありがとうございます。
ぼくを弟子にくれてありがとうございます。
ぼくを花團治に選んでくれてありがとうございます。

それぞれの方に、それぞれ積もる思いが多々あります。


翌日、文枝会長にお電話をしました。

「これで終わったらあかんで」

励ましのお言葉をいただきました。


それからひと月ほど経って、会長の弟子の三金くんがぼくを見つけて言いました。

「うちの師匠から伝言を預かってます。今度、ウクレレバンドを作ろうと思うんやけど、花團治くんはどうかなって?」
ええ、もちろん、入れてください!ってお返事しました。

足手まといにならないように、こちらも頑張ります。




……あれ以来、今もなお、なんだか気忙しい毎日を送らせて頂いてます。
まだちゃんとお礼のご挨拶すら差し上げていない方も多く、
本当に申し訳なく思っております。

「不義理なやっちゃ」とお思いの方も多いと思いますが、
今しばし、どうかご容赦を願います。



先日、会場に出向き東京公演の打ち合わせを済ませたところです。


今は某新聞社の事業部長を務める大学の同級生が一役も二役も買ってくれました。
ぼくは大学を一年で中退しましたが、彼は卒業以来、持ち前の明るさで着々と実績を重ねてきました。
「声を掛けてくれるのを待ってたんやで!」って。何でも相談できる相手です。


また、大阪からも大勢で駆けつけてくださるそうです。
ホンマ、ありがたい!!!

どうか東京公演もよろしくお願いします。


0608_チラシ東京公演

「三代目桂花團治襲名披露・東京公演」
8月2日(日)午後6時開演
東京・国立演芸場 地下鉄「永田町」から徒歩5分
出演:柳亭市馬(落語協会会長)、桂春之輔(上方落語協会副会長)、
笑福亭鶴瓶(同協会副会長)、桂春雨、桂治門、囃子座(滑稽音曲)、桂花團治
前売5000円、当日5500円(売り切れの節はご容赦ください)
整理番号付き自由席(お早めにご購入ください)※6月23日チケット発売開始
チケットぴあ0570-02-9999(pコード444-994)


サイトが新しくなりました↓↓↓
花團治の公式サイト


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コメント
41:祈 ご繁盛 by souu on 2015/06/19 at 06:10:47 (コメント編集)

今は東京まで追っかけ出来ないのが残念ですが
9月のやまと郡山城ホールへのお越しを待っています。
「露草のつゆ、身に光るものを持たず」その心大切でしょうね。

プロフィール

蝶六改メ三代目桂花團治

Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

http://hanadanji.net/

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