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146.師匠自慢~繁昌亭落語家入門講座~

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「うちの師匠はね、
ここんところの形がめっちゃ恰好ええのよ」

「うちの師匠はね、
ここんところをこう持っていくの」


「うちの師匠はね」と繰り返すのは主任講師の露の都師匠。


繁昌亭落語家入門講座の光景。
これが伝承芸能の楽しさかもしれない。

都師匠とおっちゃん2
受講生を高座に上げて指導する露の都師匠(手前)

「稽古」とは古(いにしえ)を稽(かんが)ふる。
古きものから学ぶということ。


「繁昌亭落語家入門講座」では、
皆が同一の演目をお稽古する。
皆が同じ台詞なのに各々違ってくる。
これがオモシロイところ。

「個性」は作るものではなく、にじみ出るもの。
つくづくそう思う。



入門講座16発表会16、リレー
修了式では受講生によるリレー落語


入門講座、芸名もらって集合写真
修了式では、桂文枝師匠命名による芸名が全員に手渡される。

入門講座、右露の都、左ぼく
謝恩会にて(左:露の都師匠、右:ぼく)

入門講座、打ち上げ終わりの集合写真
「繁昌亭落語家入門講座17期生」謝恩会の終わりに。


思えば、うちの師匠(先代春蝶)からも、
「春團治(師匠の師匠)にわしはこう教わった」とか
「今日は春團治に教わったとおりにやってみるさかいな」とか
そんな言葉をよく聞かされた。

ぼくもまた稽古をつけるときなど、うちの塾生に言わせれば
「うちの師匠はね」がどうやら口癖らしい。

愚か塾、稽古場
「愚か塾」の稽古場では師匠や先代・先々代の花團治が見守る。


ある日、師匠はぼくにこうおっしゃった。
「蝶六、お前は何でそこがそないになんねん?」
「師匠、ぼくは師匠と同じようにやってるんですが…」
「……そうか、わしはそんなに下手くそなんや」


それからしばらく、
師匠がぼくに稽古をつけてくれることはなかった。


繁昌亭でのお稽古では、
都師匠から時折こんな言葉が飛び出す。
「あんたのそこの言い回し、ええなあ。うちも使わせてもらお」
言われている本人は、懸命に真似ているだけ。
でも自然ににじみ出る。それが「個性」だ。

愚か塾、打ち上げ
ぼくの主宰する「愚か塾」もまさに老若男女。
稽古は素直さが一番。素直な方ほど確実に上達が早い。
しかし、なかには「でも、別の師匠はこうやってましたよ」とか、
「けど、こういうやり方もありじゃないですか」とか、「けど」や「でも」が口癖な方も過去には見受けられた。
こちらも仕方なく「じゃあ、それで」と引き下がるうち、
上達が見られないまま、その方は顔を見せなくなった。
稽古は議論する場ではない。教えてくれる相手を一旦全部受け入れるのが稽古の基本だと思う。



さて、この10月から「繁昌亭落語家入門講座」18期の開講。また、都師匠による「うちの師匠がね~」が始まる。落語家が唯一許される自慢ばなし。それは「師匠自慢」かも知れない。


都師匠の言葉に、
露乃五郎兵衛師匠や、
そのまた師匠である先代春團治を感じていただければと思います。




◆お稽古風景はこんな感じです。↓↓↓
繁昌亭入門講座16期の稽古風景

◆詳しくは↓↓↓をクリック
18期の開講は10月7日(水)朝9時30分からです。


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入門講座、講師の会
「繁昌亭落語家入門講座・講師の会」主任講師:露の都、サブ講師:桂花團治(初級)、林家花丸(中級)、笑福亭鶴二(上級)

入門講座、都師匠、毎日新聞
「繁昌亭落語家入門講座」は時折、新聞にも取り上げてもらっています。


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蝶六改メ三代目桂花團治

Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

http://hanadanji.net/

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