146.師匠自慢~繁昌亭落語家入門講座~
ダイアリー > 繁昌亭落語家入門講座 - 2015年09月30日 (水)
花團治公式サイトはここをクリック!
「うちの師匠はね、
ここんところの形がめっちゃ恰好ええのよ」
「うちの師匠はね、
ここんところをこう持っていくの」
「うちの師匠はね」と繰り返すのは主任講師の露の都師匠。
繁昌亭落語家入門講座の光景。
これが伝承芸能の楽しさかもしれない。

受講生を高座に上げて指導する露の都師匠(手前)
「稽古」とは古(いにしえ)を稽(かんが)ふる。
古きものから学ぶということ。
「繁昌亭落語家入門講座」では、
皆が同一の演目をお稽古する。
皆が同じ台詞なのに各々違ってくる。
これがオモシロイところ。
「個性」は作るものではなく、にじみ出るもの。
つくづくそう思う。

修了式では受講生によるリレー落語

修了式では、桂文枝師匠命名による芸名が全員に手渡される。

謝恩会にて(左:露の都師匠、右:ぼく)

「繁昌亭落語家入門講座17期生」謝恩会の終わりに。
思えば、うちの師匠(先代春蝶)からも、
「春團治(師匠の師匠)にわしはこう教わった」とか
「今日は春團治に教わったとおりにやってみるさかいな」とか
そんな言葉をよく聞かされた。
ぼくもまた稽古をつけるときなど、うちの塾生に言わせれば
「うちの師匠はね」がどうやら口癖らしい。

「愚か塾」の稽古場では師匠や先代・先々代の花團治が見守る。
ある日、師匠はぼくにこうおっしゃった。
「蝶六、お前は何でそこがそないになんねん?」
「師匠、ぼくは師匠と同じようにやってるんですが…」
「……そうか、わしはそんなに下手くそなんや」
それからしばらく、
師匠がぼくに稽古をつけてくれることはなかった。
繁昌亭でのお稽古では、
都師匠から時折こんな言葉が飛び出す。
「あんたのそこの言い回し、ええなあ。うちも使わせてもらお」
言われている本人は、懸命に真似ているだけ。
でも自然ににじみ出る。それが「個性」だ。

ぼくの主宰する「愚か塾」もまさに老若男女。
稽古は素直さが一番。素直な方ほど確実に上達が早い。
しかし、なかには「でも、別の師匠はこうやってましたよ」とか、
「けど、こういうやり方もありじゃないですか」とか、「けど」や「でも」が口癖な方も過去には見受けられた。
こちらも仕方なく「じゃあ、それで」と引き下がるうち、
上達が見られないまま、その方は顔を見せなくなった。
稽古は議論する場ではない。教えてくれる相手を一旦全部受け入れるのが稽古の基本だと思う。
さて、この10月から「繁昌亭落語家入門講座」18期の開講。また、都師匠による「うちの師匠がね~」が始まる。落語家が唯一許される自慢ばなし。それは「師匠自慢」かも知れない。
都師匠の言葉に、
露乃五郎兵衛師匠や、
そのまた師匠である先代春團治を感じていただければと思います。
◆お稽古風景はこんな感じです。↓↓↓
繁昌亭入門講座16期の稽古風景
◆詳しくは↓↓↓をクリック
18期の開講は10月7日(水)朝9時30分からです。
◆狂言教室をご希望の方は↓↓↓をクリック
心と身体に狂言エクササイズ
◆花團治の公式サイトは↓↓↓をクリック
蝶のはなみち

「繁昌亭落語家入門講座・講師の会」主任講師:露の都、サブ講師:桂花團治(初級)、林家花丸(中級)、笑福亭鶴二(上級)

「繁昌亭落語家入門講座」は時折、新聞にも取り上げてもらっています。
「うちの師匠はね、
ここんところの形がめっちゃ恰好ええのよ」
「うちの師匠はね、
ここんところをこう持っていくの」
「うちの師匠はね」と繰り返すのは主任講師の露の都師匠。
繁昌亭落語家入門講座の光景。
これが伝承芸能の楽しさかもしれない。

受講生を高座に上げて指導する露の都師匠(手前)
「稽古」とは古(いにしえ)を稽(かんが)ふる。
古きものから学ぶということ。
「繁昌亭落語家入門講座」では、
皆が同一の演目をお稽古する。
皆が同じ台詞なのに各々違ってくる。
これがオモシロイところ。
「個性」は作るものではなく、にじみ出るもの。
つくづくそう思う。

修了式では受講生によるリレー落語

修了式では、桂文枝師匠命名による芸名が全員に手渡される。

謝恩会にて(左:露の都師匠、右:ぼく)

「繁昌亭落語家入門講座17期生」謝恩会の終わりに。
思えば、うちの師匠(先代春蝶)からも、
「春團治(師匠の師匠)にわしはこう教わった」とか
「今日は春團治に教わったとおりにやってみるさかいな」とか
そんな言葉をよく聞かされた。
ぼくもまた稽古をつけるときなど、うちの塾生に言わせれば
「うちの師匠はね」がどうやら口癖らしい。

「愚か塾」の稽古場では師匠や先代・先々代の花團治が見守る。
ある日、師匠はぼくにこうおっしゃった。
「蝶六、お前は何でそこがそないになんねん?」
「師匠、ぼくは師匠と同じようにやってるんですが…」
「……そうか、わしはそんなに下手くそなんや」
それからしばらく、
師匠がぼくに稽古をつけてくれることはなかった。
繁昌亭でのお稽古では、
都師匠から時折こんな言葉が飛び出す。
「あんたのそこの言い回し、ええなあ。うちも使わせてもらお」
言われている本人は、懸命に真似ているだけ。
でも自然ににじみ出る。それが「個性」だ。

ぼくの主宰する「愚か塾」もまさに老若男女。
稽古は素直さが一番。素直な方ほど確実に上達が早い。
しかし、なかには「でも、別の師匠はこうやってましたよ」とか、
「けど、こういうやり方もありじゃないですか」とか、「けど」や「でも」が口癖な方も過去には見受けられた。
こちらも仕方なく「じゃあ、それで」と引き下がるうち、
上達が見られないまま、その方は顔を見せなくなった。
稽古は議論する場ではない。教えてくれる相手を一旦全部受け入れるのが稽古の基本だと思う。
さて、この10月から「繁昌亭落語家入門講座」18期の開講。また、都師匠による「うちの師匠がね~」が始まる。落語家が唯一許される自慢ばなし。それは「師匠自慢」かも知れない。
都師匠の言葉に、
露乃五郎兵衛師匠や、
そのまた師匠である先代春團治を感じていただければと思います。
◆お稽古風景はこんな感じです。↓↓↓
繁昌亭入門講座16期の稽古風景
◆詳しくは↓↓↓をクリック
18期の開講は10月7日(水)朝9時30分からです。
◆狂言教室をご希望の方は↓↓↓をクリック
心と身体に狂言エクササイズ
◆花團治の公式サイトは↓↓↓をクリック
蝶のはなみち

「繁昌亭落語家入門講座・講師の会」主任講師:露の都、サブ講師:桂花團治(初級)、林家花丸(中級)、笑福亭鶴二(上級)

「繁昌亭落語家入門講座」は時折、新聞にも取り上げてもらっています。
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