147.大須大道町人祭~投げ銭の嬉しさ~
街が大道芸の舞台になる。
今年で38回目を迎えた「大須大道町人祭」。
15か所以上の特設ステージを含む会場では、
朝から晩までパフォーマンスが繰り広げられました。


林幸治郎率いる「ちんどん通信社」は「大道町人祭」草創期からの参加。この祭りをずっと支えてきました。

乙女文楽の吉田光華師匠。たった一人で操る文楽人形ですが、光華師の手にかかると何とも表情豊かです。

琵琶の音色と川村旭芳さんの語りに皆がうっとり。

何とも不思議なアングラ舞踊。思わず魅入ってしまいました。

ポールダンス。きれいなお姉ちゃんやった💛 もう釘づけです。

レパートリーは300曲以上。人間ジュークボックス。

プロレスも大人気でした。

当日のパンフレットにはスケジュールと各パフォーマーの紹介がびっしりと。パンフレットに紹介されている芸人だけでも48組。ステージ以外でのゲリラパフォーマーも加えれば、もっともっとたくさんおられたんじゃないかと思います。
ぼくは今年、初めてここに参加させて頂きました。
落語ではなく、狂言を演じました。

舞台袖の窓ガラスに映った相方の金久寛章をパチリ。

投げ銭というのも、ぼくにとって初めての体験でしたが、
思いのほか、たくさん入って驚きました。
あえてマイクを断って地声で勝負したのも良かったのかもしれません。
お客もすごく集中してくださいました。
何も知らずたまたま通りかかった通行人に
お喋りを止めるよう促す観客もおられました。
感謝、感謝です。
思えば、落語も大道芸からの出発でした。
元禄の頃に活躍された米沢彦八は今の谷町九丁目にある生国魂神社の境内において「辻咄」を演じました。

よしず張りの小屋のなかで辻咄を演じた米沢彦八。
それを記念して開催する落語ファン感謝デーが彦八まつり。
毎年9月の第一土曜日曜に開催。今年で25年目を迎えました。
当初は生前より彦八の記念碑を強く望まれた。六代目笑福亭松鶴
の命日9月5日に合わせて第一回が催されました。

「狂言」もルーツをたどれば元々は屋外で演じたものでしょう。
「能楽堂」の背景「鏡板」に描かれている老松も
春日大社の「影向の松」がモデルとされています。
歌舞伎のルーツとされる出雲阿国も四条の河原で「かぶき踊り」を舞いました。
今回は「ちんどん通信社」さんのお力添えでこちらでの上演が叶いました。
それぞれ違うジャンルの芸人が集った楽屋。芸の話題でも盛り上がりました。

左から金久寛章(狂言)、吉田光華師匠(乙女文楽)、三輪さん(乙女文楽)、ぼく(狂言)

ちんどん通信社さんは楽屋でも新曲のお稽古。素敵な音色のご相伴に与れて大満足でした。

夜はガラリ変わって下世話な話で大盛り上がり。もちろんアカデミックで発展的なお話も。メインはこれからの展望についてでした。
いつもは「とったらもぎとり」という
前金制、返金お断りの世界にいるぼくにとって、
今回の体験はすごく大きなものでした。
お客との手応えが
そのまま目の前の現金に変わります。
もちろん寄席の世界も毎回がプレゼンのようなものですが、
よりダイレクトに反応が返ってくる体験に
多くを教わったような気がします。
今回は、狂言での参加とはいえ、
落語家の祖・米沢彦八に少し近づけたような、
そんな二日間でした。
お客様、関係者の皆さま、ちんどん通信社さん、
みなさんホントにありがとうございました。
さて、今日もこれから高座がありますのでブログはこのへんで。
昨日とはちょっと違う自分で臨んでみたいと思います。
ブログ:狂言のある生活
◆桂花團治の公式サイト
今年で38回目を迎えた「大須大道町人祭」。
15か所以上の特設ステージを含む会場では、
朝から晩までパフォーマンスが繰り広げられました。


林幸治郎率いる「ちんどん通信社」は「大道町人祭」草創期からの参加。この祭りをずっと支えてきました。

乙女文楽の吉田光華師匠。たった一人で操る文楽人形ですが、光華師の手にかかると何とも表情豊かです。

琵琶の音色と川村旭芳さんの語りに皆がうっとり。

何とも不思議なアングラ舞踊。思わず魅入ってしまいました。

ポールダンス。きれいなお姉ちゃんやった💛 もう釘づけです。

レパートリーは300曲以上。人間ジュークボックス。

プロレスも大人気でした。

当日のパンフレットにはスケジュールと各パフォーマーの紹介がびっしりと。パンフレットに紹介されている芸人だけでも48組。ステージ以外でのゲリラパフォーマーも加えれば、もっともっとたくさんおられたんじゃないかと思います。
ぼくは今年、初めてここに参加させて頂きました。
落語ではなく、狂言を演じました。

舞台袖の窓ガラスに映った相方の金久寛章をパチリ。

投げ銭というのも、ぼくにとって初めての体験でしたが、
思いのほか、たくさん入って驚きました。
あえてマイクを断って地声で勝負したのも良かったのかもしれません。
お客もすごく集中してくださいました。
何も知らずたまたま通りかかった通行人に
お喋りを止めるよう促す観客もおられました。
感謝、感謝です。
思えば、落語も大道芸からの出発でした。
元禄の頃に活躍された米沢彦八は今の谷町九丁目にある生国魂神社の境内において「辻咄」を演じました。

よしず張りの小屋のなかで辻咄を演じた米沢彦八。
それを記念して開催する落語ファン感謝デーが彦八まつり。
毎年9月の第一土曜日曜に開催。今年で25年目を迎えました。
当初は生前より彦八の記念碑を強く望まれた。六代目笑福亭松鶴
の命日9月5日に合わせて第一回が催されました。

「狂言」もルーツをたどれば元々は屋外で演じたものでしょう。
「能楽堂」の背景「鏡板」に描かれている老松も
春日大社の「影向の松」がモデルとされています。
歌舞伎のルーツとされる出雲阿国も四条の河原で「かぶき踊り」を舞いました。
今回は「ちんどん通信社」さんのお力添えでこちらでの上演が叶いました。
それぞれ違うジャンルの芸人が集った楽屋。芸の話題でも盛り上がりました。

左から金久寛章(狂言)、吉田光華師匠(乙女文楽)、三輪さん(乙女文楽)、ぼく(狂言)

ちんどん通信社さんは楽屋でも新曲のお稽古。素敵な音色のご相伴に与れて大満足でした。

夜はガラリ変わって下世話な話で大盛り上がり。もちろんアカデミックで発展的なお話も。メインはこれからの展望についてでした。
いつもは「とったらもぎとり」という
前金制、返金お断りの世界にいるぼくにとって、
今回の体験はすごく大きなものでした。
お客との手応えが
そのまま目の前の現金に変わります。
もちろん寄席の世界も毎回がプレゼンのようなものですが、
よりダイレクトに反応が返ってくる体験に
多くを教わったような気がします。
今回は、狂言での参加とはいえ、
落語家の祖・米沢彦八に少し近づけたような、
そんな二日間でした。
お客様、関係者の皆さま、ちんどん通信社さん、
みなさんホントにありがとうございました。
さて、今日もこれから高座がありますのでブログはこのへんで。
昨日とはちょっと違う自分で臨んでみたいと思います。
ブログ:狂言のある生活
◆桂花團治の公式サイト
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