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177. 15年ぶりの再開~ぼくが狂言を学んだ理由~

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前回、この国立演芸場の高座に上がらせていただいたのは、
昨年8月の「花團治襲名」のときでした。

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国立演芸場での襲名披露口上(左から桂春雨、桂春之輔、ぼく、笑福亭鶴瓶、柳亭市馬・落語協会会長)
撮影:相原正明


ゲストとして口上にも並んで下さった笑福亭鶴瓶師匠は、
舞台から客席に向かってこのようにおっしゃいました。

「花團治は来年も
ここで演ることに決まりましたから。
みなさん、絶対、来たってくださいよ」。


そのときの万雷の拍手は忘れられません。
楽屋に戻った鶴瓶師匠は、ぼくににやりと笑って一言。

「あない(あのように)言うた以上は、
お前、来年もここでせなあかんで」。


鶴瓶師匠はそうやって半ば強引に道をつけてくださったのです。
……それが今日のこの高座になりました。

国立、楽屋、鶴瓶師匠
国立演芸場の楽屋にて 撮影:相原正明


鶴瓶師匠とツーショット



この記念すべき舞台において、
花團治の最初の一席は『豊竹屋』です。
これは、林家染丸師匠にお稽古をつけていただいたのですが、
身につけるまでに15年間もの中断がありました。
中断の理由は、ぼくが浄瑠璃の音を全く取れず、
加えて、生来の甲高いキンキン声が咄と合わなかったからでした。
このままでは一生この咄はできないと思ったぼくは、
無我夢中で「狂言」のお稽古に通いました。

狂言 寝音曲 二人絡み
金久寛章との狂言 撮影:相原正明


それから15年、ようやく声のコンプレックスから解放された時、
染丸師匠に改めて稽古の再開をお願いしたのです。
今では、演じる回数が五本の指に入るほど、
ぼくにとって相性のいい咄となっています。

染丸師匠宅
染丸師匠の御自宅にて(襲名挨拶まわり) 撮影:相原正明


トリの一席は、亡き師匠(二代目桂春蝶)が晩年
特によく高座にかけていた「立ちきれ」です。
師匠はこの咄を演じる度に「あそこはこうしたら良かったなぁ」など、
帰りのタクシーの中で反芻するのが常でした。

それは独り言でもあり、
横で耳をそばだてて聞いているぼくへの稽古でもありました。

さまざまな「立ちきれ」がありますが、
ぼくは、ペーソスがふんだんに詰まった、
先代春蝶のものが今でも一番好きです。

どこか憎めない若旦那の魅力は師匠そのものでした。
そんな特別の思いのこもった作品を、
今回はぼくなりの解釈を加えて演らせていただきます。
花團治の東京での大一番、どうかお愉しみいただけますように。

三代目 桂 花團治

この原稿は、9月27日(火)、国立演芸場で開催する「花團治の宴-en-」のパンフレットから抜粋したものです。


花團治の宴
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蝶六改メ三代目桂花團治

Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

http://hanadanji.net/

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