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181.不況になればお笑いが流行る?~落語と狂言の親密な関係~

作家の瀬戸内寂聴さんは、
「(法話の際に)いきなり仏教のむつかしい話から始めても
集まってくれる人は聞く耳を持たない。
だから笑い話から始める」
とおっしゃってますが、
大昔からそういう風習はあったようです。
このような法話を落語のルーツとする説もあります。

それに、大真面目な真剣な話を聞くときには
グッと息を詰めていなければなりませんが、
そのためにもまず大きく息を吸う必要があります。
大笑いするということは
すなわち深呼吸するも同じこと。
ムツカシイ話をちゃんと聴くために、
まずは大笑いするということは、
とても理にかなったことです。


ところで、
「不況になればお笑いが流行る」
ということをよく耳にします。
テレビの製作費が縮小されるため、
コストの安いお笑い芸人を大量に使うようになるからだというのが、
その理由だそうですが、
はたしてそれだけでしょうか?

花團治、いらっしゃい、ブログ用


日本の「二大笑い芸能」である落語や狂言とて、
それらが生まれた時代は決して豊かとは言えなかったようです。

「落語」は江戸中期の発祥と言われていますが、
大阪に初めて常打ちの寄席小屋ができ、
「落語」が今のような
身振り手振りを交えた形になったのは江戸末期。
幕府が終焉を迎えて
世の中の価値観が大きく変わろうとするときに
「落語」という笑いの芸能が完成したのです。

一方、幕府の誕生と共に花開いたのが「狂言」という芸能でした。
平安から室町時代にかけて発祥したという記録があります。

つまり、これら日本の二大「笑い芸能」落語と狂言は、
それぞれ、世の中の大きな変動期に生まれたということ。

言い換えれば、
混沌とした時代が
笑いの芸能を求めたのです。



大須狂言、金久&花團治、やい聞くか!

昨今もなんだか混沌期を迎えそうな気配。
これから先、「笑ってる場合か!」と
目くじらを立てたくなる場面も出てこようかと思いますが、
そんなときこそ「笑い」忘れず、
まずは「笑い」で頭に酸素を送りたいものです。

さて、このたびは
日本の「二大笑い芸能」の共演。
「笑う」ということ、
「息を吐く」ということ、
「混沌期に立ち向かうための身体」などなどを、
笑いのうちにお届けしたいと思っています。

出演するのは、
「上方落語協会・狂言同好会」のメンバー、
森乃石松、月亭天使、ぼくの3名、
それに狂言師の金久寛章を加えた4名。

笑えて、ためになること、保証付き!


これから先、不定期ではありますが「落語と狂言の会」を
継続的に開催していくことにしました。
その旗揚げを盛り上げに是非ともお越しくださいまし。

やるまいぞ寄席チラシ
※『やるまいぞ寄席』の詳細はこちらをクリック!


その他、「狂言」に関する過去ブログは以下の通りです。
こちらも是非ご笑読ください。

◆狂言エクササイズ

◆落語と狂言はさも似たり

◆「狂言」と「落語」でぼくは変われた

◆病いは言葉から

◆『花團治公式サイト』


狂言 寝音曲 二人絡み
撮影:相原正明

狂言 寝音曲 舞う金久
撮影:相原正明

狂言 寝音曲 袴
撮影:相原正明

◆写真家・相原正明つれづれフォトブログ













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蝶六改メ三代目桂花團治

Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

http://hanadanji.net/

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