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242.良縁のススメ~今日、運命の人に出会えるかもしれないじゃない~

コロナ禍で人と集まる機会がめっきり減ったためか、
「出逢いがなくて」とぼやく声を最近よく耳にするようになった。
50すぎのオッサンであるぼくには何のアドバイスもできないが、
最近読んだ『ラブホ上野さんの恋愛相談』(KADOKAWA)という本の一章に
我が意を得たりと思う内容があった。

出逢いが少なくて困っているという女性からのお悩みに対し、
相談された“上野さん”が語る。

「私は男なので化粧品に興味がないが、
よくデパートの化粧品売り場に足を運びます。
接客、店舗の構造、案内の流れ、立地など、
様々な点を観察しているのですが、
そのなかでも特に重要視しているのは
お客がいないときのスタッフの姿。
最悪なのは、おしゃべりをするスタッフ。
最高なのは、近くを通るお客様に気を配りながら
店舗近くの整頓を行うスタッフ…
そのあと、機転をきかせて一人のスタッフが
『プレゼントですか?』と声をかけてくれました」



接客中はどのスタッフも気を張っているので
そんなに差は生まれないだろうが、
お客のいないときにこそ差が出るもの。
別に店員でなくとも、好きな人の前では良い顔を見せ、
そうでないときは不貞腐れた態度を取るのは
男性女性問わずよく見かける。

その“普段の姿”にこそ、
その人の本性が垣間見えるというのが
“上野さん”のアドバイスだった。

なるほど飲食店の店員に
エラそうな態度をとる男とはつきあうなという
巷の定説にも通じるところがある。


▶「ラブホ上野さんの相談室」はこちらをクリック!


花團治、どないしてくれんねん
筆者(撮影:坂東剛志)



ずいぶん前になるが、
ぼくはとあるバーで雑貨チェーンの人事部長だという人と
隣り合わせになった。

ちょうど全国展開している最中で、
彼は毎週のようにアルバイト面接のために
北へ南へと駆けずり回っていた。
毎回、結構な数の女子高生たちが面接のために列をなすという。

酒の勢いもあってか、彼は饒舌にその面接方法を語ってくれた。

「正直に言うとね、面接そのものはあんまり重視してないんですわ」
「ほな、容姿でっか?」
「それもないとはいえないけど、決め手は面接の後でんな」

面接の後、と聞いてひょっとコイツは立場を利用して
良からぬことをしているのではないかと、
ぼくは彼のことを少し疑った。

しかし、彼曰くこういうことだった。

「いえね、面接って誰もが緊張しますねん。
気が張ってますわな。そんななかでいろいろ質問して、
最後に『面接は以上です。結果は後日お知らせします。
お疲れ様』って送り出しますねん。

で、上着着て、鞄下げて部屋を出る間際に
『今日はこれからどこか遊びに行くの?』とか、
まぁ相手の雰囲気によって言葉は変えますけど、
できるだけフレンドリーに声を掛けるんですわ。

つまり、
気がちょっと緩んだ瞬間に声掛けて
どんな反応をするかを見てますねん。


そのときにそのとき
、『このオッサン、何を考えてんねん』と構えた態度を取る子もいれば、
にこやかに丁寧な応対をしてくれる子もいる。

うちの店にはいろんなお客さんがいらっしゃる。
棚卸しの作業で夢中になってる時に
ふいに声を掛けられりすることもある。
そんなときにその子がどんな態度を取るかということを
観察しますんねん」。



 「どこで誰が見ているかわからない」は
聞き飽きたフレーズかもしれないが、
冒頭の上野さんは最後に
ココ・シャネルのこんな言葉を紹介して回答を締めくくった。

「その日、ひょっとしたら
運命の人に
出会えるかもしれないじゃない。
その運命のためにも、
できるだけかわいくあるべきだわ」



「好みの男性がいない」と気を抜いたときに
出逢いの機会を逃してきたかもしれないし、
自分には関係のなさそうなオッサンでも、
そのオッサン繋がりでどんな良いご縁が転がってこないとも限らない。

ちなみに、ぼくは今のヨメはんと仕事の場で出会ったのだが、
ぼくの第一印象は「無愛想+ダサいファッション」と散々なものだったため、
そこからなかなか進展することがなかった。
これが良縁だったかどうか…?

ホンマ気を抜いたらあきまへん。




※この原稿は、熊本の(株)リフティングブレーンが発行する
月刊「リフブレ通信」に連載中のコラム「落語の教え」のために書き下ろしたものです。



なちゅらドン・キホーテ公演チラシ


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Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

http://hanadanji.net/

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