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27.知文術

前にもどこかに書いたと思うが、
現在、私はウェブの編集学校で学んでいる。
その編集稽古のひとつに「知文術」というものがある。
校長の文体編集術を真似て、
その本を読んだことのない人のために
必要な知識や情報を提供するというものだが、
これがなかなかに苦労した。
760~800字にまとめるというルールのもと、
全国の学衆仲間がこれに挑んだ。
ちなみに、校長は以下のようなホームページを公開されている。
「知文術」の見本です。是非ご覧あれ。
   http://1000ya.isis.ne.jp/file_path/table_list.html
   「松岡正剛 千夜千冊」

さて、私の回答はこんな感じ。
この場を借りて紹介させて頂きます。

選んだ本のタイトル:『ことばが劈かれるとき』
著者:竹内敏晴
出版社:ちくま書房
出版年:1988年

□□□□*□□□□■□□□□*□□□□■
 「大きな声出すの、やめよっか」。僕が彼  
にこう告げたのは、筆者に影響を受けてのこ
とだった。強張った身体、無理な発声、歪な
口の開け方。彼の姿はかつての己の姿でもあ
った。僕は小学生の頃よりチックでドモリで、
おまけにパニック障害の持ち主だった。そん
な僕を病から解き放ってくれたのは落語であ
り、筆者においては演劇だった。
 筆者は、生後1歳の頃からツンボで、それ
は同時にオシであることを意味した。16歳で
聴力を取り戻すも今度は発語の苦しみ。相手
の口の唇の動きとわずかに鼓膜に響いてくる
声とを重ね合わせ音を聞き分ける日々。言語
に対する執念。この書は、いかに人が変わっ
たかという記録とその方法である。
 筆者による演劇メソッドでは、Aが後ろを
向き、Bがその背後から声を掛ける。Aは呼
ばれたと思ったら振り返るといった方法で行
う。大きな声が届く声とは限らず、対象に触
れようという気が起こらないとなかなか特定
した相手に届くものではない。冒頭の彼の場
合、「声が小さい」と言われ続けて無理矢理
大きな声を出そうとし、それが声の歪みに繋
がった。彼はこのレッスンのわずか1時間足
らずで、声ばかりか姿、表情まで見違えり、
僕も驚きを隠せなかった。筆者の編み出した
この方法は「話しかけのレッスン」と呼ばれ、
教育現場ではよく用いられている。
 「演劇レッスンという形でしか劈かれない  
人間の可能性を劈くため」という筆者の思い。
それはそのまま僕の中で「落語レッスンとい
う形でしか」に生まれ変わった。思えば落語
もまた、声を肚の底で支えながらの「話しか
け」である。違うのは、目の前に、見える相
手がいるか否かということ。相手をしっかり
意識するという点は全く同じだ。筆者の受け
た劣等感というより屈辱の日々。それは自身
の体験とも繋がり、落語家としての己の使命、
役割に繋がった。演出家「竹内敏晴」はまさ
に僕にとってのロールモデルである。



ここでの学びは大層面白く、
毎晩、夜寝るのが勿体ないほど夢中になること請け合いである。
守・破・離のコースがあって、
段階を追って学んでいくのだが、
ようやく「破」のコースを突破(ここでは卒業をこう表現する)
したばかり。
これからはブログの方も少しはマメに更新しようと思いますので
どうぞよろしゅうに。
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蝶六改メ三代目桂花團治

Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

http://hanadanji.net/

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