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43.心身一如

大阪ミナミのバー「苺」で開催される月に一度の勉強会。
今回の講師は、中医学鍼灸院・院長の神野英明先生。
定員は椅子の数だけ。13名。

「心身一如」
身体に起こるいろいろな病気は、心の使い方が誘因になっていると、
「東洋医学」ではそう考えるのです。
腰痛や膝痛は、感情と関係している。
身体の上半身の体重は、腰だけではなく、身体の前のお腹でも支えている。
腹の筋肉が弱ると、腰の筋肉への負担が増えて、身体のアンバランスが生じます。

講義は、こんな話から始まった。

家族内のストレスから、胃を悪くし、
それで腰痛を引き起こすこともある。


  風が吹けば、桶屋が儲かる。
  家族が揉めると、腰が痛む、というわけだ。

問題なのは、心療内科、外科、内科、歯科等、
それぞれの医師が診療するものの、それらが決して連動していないということ。
歯は歯、腰は腰、腹は腹……分けて考えるところが問題と、神野先生は指摘する。

ドア修理の例えも分かりやすかった。
しっかり閉まらないドアを治すのに、
いきなりその引っ掛かった部分を削るだろうか?
大抵その前に、蝶番など歪んでいる部分がないか、
まず全体を見るのが道理であろう。

人間を自然と環境から切り離した個体として見て、
人体を臓器と組織、更に細胞と血液というように
解体分析していく西洋医学とはまったく違う、
と神野先生。
なるほど、がってん、の連続でした。

しかし、今の日本、鍼灸の治療は原則として保険適用外である。
抗癌剤に苦しむ患者さんが、鍼治療で開放されたという話はよく聞く。
何故?日本が戦争で負けたから?


ところで最近、ぼくにとって、とても嬉しいことがあった。
主宰する『愚か塾』の塾生だった学生が、
菓子折りを携えて、就職の報告にやってきたのだ。

彼は真面目で、勉学意欲も人一倍あるのだが、
大人しくて、当初は本当にか細い声しか出せなく、
くたびれやすい身体をしていた。
しかし、その彼が落語の稽古を始めるようになり、
日進月歩の変化を見せてくれたのだ。
この時ほど、落語に感謝したことはない。

『愚か塾』では、『東の旅・発端』(38.大根役者の蘇生法)を
全員で唱和するところから稽古が始まる。
腰を立て、リズムに乗って、理にかなった句読点で、
ちゃんと息を吐き切って、パパパ、パンである。

彼が訪れるようになって、
「四股踏みレッスン」に「話しかけレッスン」も
稽古メニューに取り入れるようになった。
それぞれ、『鈴木メソッド』『竹内メソッド』と呼ばれている。
鴻上尚史先生の著書もずいぶん参考にさせてもらった。

「からだ」と「ことば」のレッスン (講談社現代新書)
演劇とは何か (岩波新書)
あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント (講談社文庫)

これには、今、『ロングブレス』で大忙しの美木良介さんの助言も大きかった。
本が大ヒットする前、ぼくはしばらく美木さんのトークイベントの司会として
何か所かついて回っていた。
それで、ある打ち上げでぼくは美木さんに、こんなことを打ち明けた。

  「ぼくの授業で、すごく真面目なんですが、すぐに机にうつ伏せてしまう
   学生がいてるんですよ。ぼくの講義がまずいのか、集中力がないのか?」

   すると、美木さんはこう応えた。
  「それはさあ、集中力じゃなくて、体幹の問題じゃねえかな。
   今の子が集中力ないなんて、それは違うよ。
   だってさ、うちの子だって、ゲームやり出したら何時間でもやるよ。
   蝶六の、その学生はさ、おそらく体幹!!」

   この学生とは、件の彼のことである。

今や『ロングブレス』は、ダイエット法として大注目を浴びているが、
元はといえば、美木さんが慢性の腰痛に悩むようになって、
ようやく出会った、究極の腰痛対策だったのだ。
それがたまたま、ダイエットにも効果があった、ということだ。
そんな美木さんだからこその助言だった。

美木良介のロングブレスダイエット 健康ブレスプログラム 腰痛、肩こり、足のむくみは私におまかせください!

そんなことがあって、ぼくは「体幹」「丹田」をキーワードに資料を集め出した。
それが先述のメソッドである。
「落語で、体幹が鍛えられるはず」という思いだった。
いわば、彼はぼくにとってのモルモットであった。

腰を立て、息を吐ききって、パパパ、パン。
四股踏みで丹田を意識し、
落語の登場人物の了見で、朗らかな気持ちを表現してみる


落語の稽古としては、おそらく邪道なやり方が続いた。
でも、実際、彼はこれで変わった。
「風が吹けば桶屋が儲かる」。

心身の健康を促進する「落語エクササイズ」。
神野先生のおかげで、ぼくは今、
一念発起 ・ 緊褌一番 ・ 意気軒高 ・ 気力充実 ・闘志満々の思いでいる。


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蝶六改メ三代目桂花團治

Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

http://hanadanji.net/

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