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48.繁昌亭落語入門講座

繁昌亭落語入門講座の13期が始まった。
今回は総勢27名の受講生。
ぼくは、12期から桂米輔師匠のサブとして講師を勤めている。

初回はまず「落語を演じる際の基礎の基礎」というわけで、
着物の着付け指導から始まった。
女性陣は、三味線の花登益子師が担当。


次に、米輔師匠による小咄「くちなし」の口演。

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「おい、植木屋」
「へえ、お越しやす」
「お前とこ、どんな花でもあるか」
「へえ、うちはこの通り、どんな花でも木でもおまっせ」
「ほたら、物言う花ちゅうのん、あるか」
「物言う花?こいつ、なぶりにきやがったな・・・・・・へえ、おまっせ」
「あるか?」
「へえ、おます。うちはどんな花でも木でも、みな物言いよります。
 何なら名前なとなんなと尋ねてみなはれ」
「ええ、ほんまか・・・おい、お前、名前、何ちゅうね」
「桜」
「おい、こいつ、ほんまに物言いよったで。不思議なこともあるもんやな」
 ほたら、お前の名前は?」
「梅」
「関心なな。ちゃんと返事しよったがな」
「ぼたん」
「えらいもんやな、お前は・・・お前は・・・・・・おい、植木屋、こいつ物言えへんで」
「ああ、そら、くちなしや」


・・・・・・カミシモはどのように決めているのか?その目安となる角度は?
目の高さ、落語を語るときの心得、発声の工夫・・・・・・エトセトラ。

「歌舞伎でも、吉本新喜劇でも、屋台(舞台の上の大きな作り物)は
 大体、客席から向かって右手にありますわな。これが上手(かみて)。
 それで、下手から『こんにちは』を人が訪れて・・・・・・
 これを座布団の上でやりますと、こうなります」
 
受講生から、ホ~という声が湧き起こる。

「舞台の向かって左から入っていくちゅうのは、誰が決めたんやろう?
 右から『こんにちは』やったらいかんねやろか?」
 
はいはい。
そういうささいな疑問にも、米輔師匠はちゃんと答えます。

「映画でもそうですが、画面の左から右へ抜けていく方が安定感がある。
 電車が走るシーンでも、明日へ向かっていくという気分を出すには
 左から右でっしゃろ?・・・逆に、右から左へ抜けたら不安な気分になる」
 
何故、そうなっているのか?を説明していきます。

 
「ほな、何で、右から左へやったら、不安なんやろう?」
 ・・・それは、科学者に聞いて欲しい。
 ここまでくると、もう落語家の領域ではない。
 

さすがに米輔師匠には、言えなかったのか、
後で、受講生の一人が、ぼくにこっそりこう言った。

「あのう、円形舞台ちゅうのんもありますが、
 あれはどういうふうに考えたらいいんでしょうか?」
 
知らんがな(笑)
なかなか皆さん、笑わせてくれはります。
 

受講生からの質問攻めはどんどん続く。

「どうすれば台詞が覚えられるか?」
「その時、指は指した方がよろしいやろか?」
「アレンジはどこまで許されるまっか?」
「うちの家、大きい声、出せまへんねんけど」

そのひとつひとつに丁寧に応えていく米輔師匠。

「ええと、近くに公園があったら、そこでもええし・・・・・・
 高速道路の高架下なんかよろしいで」。
 
どこまでも丁寧な米輔師匠。
それにみんな、大真面目である。

模範演技を何度か繰り返した後、今度は全員で口移し。
「おい、植木屋」「おい、植木屋」・・・・・・


最後は、着物の畳み方を、皆で覚えました。
「あのう、米輔師匠、着物を洗う時はどうすればいいんでしょうか?」
「ああ、これは家でも洗えまんな。そのやり方はね・・・・・・」と米輔師匠。

下の写真は、その時の稽古風景。
神聖な舞台ですが、この時ばかりはステテコ一丁が許されています。


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どうか受講生の皆さん、よろしくお願いします。

あ、それから米輔師匠から紹介のあった米朝師匠の書かれた本。
これ、お薦めです。入門の必読書。

落語と私 (文春文庫)落語と私 (文春文庫)
(1986/03)
桂 米朝

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Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

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