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56.ふるきゃらと先代春蝶

山と川と田んぼと海と
生きてゆくのさ
おれたち私たち
畑耕すいとしさを
作物にそえ とどけたいのさ
遠くの町へと
人を愛する せつなさを
山の彼方に叫びたい

山の空気を吸い込むと
身体が緑に 染まるのさ
どうしてこんなに美味いのか
梢をすぎゆく風に
ある筈もない味なのに
俺の元気は蘇る

日暮山から流れてくる
水が甘くてキレイなら
浜の昆布も 魚も貝も
塩吹浜は大漁さ

おまえがいて おれがいて
遠くの町に友だちがいる
生きているのさ
この町 私たちの 俺たちの 町



アマゾンを覚えてから、ぼくの書斎は積ん読本で溢れるようになりました。
それで今、部屋の断捨離をしています。
懐かしい写真や本に出会っては感傷に浸ってしまうので
なかなか前に進みません。
honndana.jpg


昔の台本や、創作メモなんかも出てきました。
それで、冒頭に上げた歌詞は、
劇団ミュージカル『ふるさときゃらばん』の台本から抜き出したもの。
(現在は、新生ふるきゃら
当時のキャスティング表を見ると、1998年(平成10年)とありました。
hurukyaradaihonn.jpg


最近、当時の劇団メンバーとface bookで、
10年以上ぶりに再会したというのもあって、感慨ひとしおで眺めています。

板津惇さんは、本当の声を取り戻す~エドウィン・コパーズ・ジャパン
のワークショップで全国を飛び回っているし、
和田武さんは、舞台やVシネマで相変わらず忙しそうだし、
昔、一緒に汗をかいた仲間が活躍してるって、ホント嬉しいです。
ぼくも、ここらで性根入れんとあきまへん、という気にさせられます。

『応援談』という文庫本サイズの冊子も出てきました。
1995年(平成7年)の発行です。
hurukyaraouenndann.jpg


演出家の高平哲郎さん、漫画家のちばてつやさん、ビッグ錠さん、山藤章二さん、落語家の立川談志師匠、コメディアンの坂上二郎さん、
劇団俳優座の野中まり子さん、演劇評論家の小田島雄志さん・・・・・・といった
そうそうたるメンバーからの応援コメント集です。

それで、当時、劇団の関係者だった友人のコネで、
無理矢理、ぼくもちゃっかりそこに交ぜてもらってます。

以下が、ぼくが18年前、32歳の頃に書いた応援コメントです。


「春蝶に教えられたホンマもん」
                 噺家 桂 蝶六
                 
 今からおよそ400年程前、元禄頃、大阪の生魂国神社において
 米澤米八という方がよしず張りの小屋を張り、落語を演じた。
これが大阪における生業としての落語家の祖と言われている。
いわゆる大道。見台を前に置き、それを小拍子と張り扇でもっ
て音を鳴らしながら演じた。道行く人の足を止めるためである。
発祥から上方落語は庶民のもん。生活者のポジションにたって
いた。
 今は亡き我が師匠、桂春蝶に尋ねたことがある。
 「何で大阪には真打ち制度おまへんねん」
 「要らんやろ。ええか悪いか、そん時どきのお客さんが決め
はるがな。その高座で、お前がお客をホンマに納得させられた
ら、そん時の真打ちはお前や」
さらにつけ加えて
 「たまには高座で俺をびびらさんかい」
 「ふるきゃら」との出逢いは二年前、福島県のとある農村。小
学校の体育館内には定式幕が張りめぐらされ、さながら時代劇に
出てくる芝居小屋のようであった。どしゃ降りの雨の中、座布団
持参の老若男女、千数百名、ぎっしり。終了してすぐ、劇団の大
内代表にうながされて会場前に出た。そこに居並ぶ役者の姿。そ
の各々の前には握手を求めてお客の列。「ありがとう」の言葉が
飛びかう。「よかった」を通り越して「ありがとう」。腰の曲が
ったお婆さんが顔をぐしゃぐしゃにしている姿が印象的であった。
 「ふるきゃら」の魅力はこの言葉に集約されている。「私の言
いたかったことをよくぞ言ってくれて、ありがとう」「元気にし
てくれて、ありがとう」
 「裸になったサラリーマン」も然り。「ふるきゃら」は常に生
活者の味方。「我々同様」。そしていつも真打ち。
 私は常に庶民の視線でモノを見ていきたい。「ふるきゃら」を
見ると何故か今は亡き、春蝶のことを思い出すのである。 


 ぼくが、「ふるきゃら」の舞台に初めて立たせてもらったのは、
 この翌々年だったように記憶している。
 
 いっぱい色んなことを学ばせてもらいました。
 それは、また今度載せますので、是非ご一読下さいまし。


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蝶六改メ三代目桂花團治

Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

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