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63.日本三大祭り 天神祭り 其の1

「世界三大美女」と言えば、楊貴妃、クレオパトラ、小野小町。

小野小町に想いを寄せる深草の少将は、
「百夜、通い続けたら晴れて契りを結ぶ」という小町の言葉を信じ、
深草から小町の住む山科、小野の里まで毎晩通い続けたあげく
百日目の最後の晩に、大雪のため途中で凍死してしまった。

小野小町と言えば、こんな川柳。「玉にきず無いのが小町玉にきず」
小野小町は、生涯未経験だった。
裁縫の「町針」はここからきているのはご承知の通り。

「弁慶と小町は馬鹿だなあかかあ」
これも有名な川柳。破礼だから説明はしない。

ononokomati.jpg

ところで、この世界三大美女に「待った」をかけたのが、
大阪天満宮文化研究員も務めておられる高島孝次先生。
去年、「天神祭り」を前に企画されたレクチャーにぼくも参加した。

『世界三大』というのは、
秀でた人にあやかりたいという、
三番目が言うことです。
第一、小野小町をここに入れるのは
日本ぐらいのものです。
 


高島先生の話は、そんな論調から「日本三大祭り」について及んだ。

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船形山車 大阪天満宮所蔵・旧上荷茶船船仲間所有「天神丸」 大阪くらしの今昔館にて

「日本三大祭りとされている神田祭り、祇園祭り、天神祭り
 ・・・・・・これ自体、おかしいのではないか」

でも、これにはちゃんとした理由がある。

(1)三重構造
伝統的な祭りの多くは、
神事という核の部分と、氏子・崇拝者による「神賑行事」で成り立っている。
天神祭りの場合は、これに観光行事が加わって「三重構造」になっている。
これほどバランスのいい祭りは、それほど多くはない。

(2)動員数
「天神祭り」は見物人だけで、100万人。
一方、「祇園祭り」は今年多かったと言っても、せいぜい80万人。
仙台の「七夕祭り」は200万人だが真ん中の神事というものがない。

(3)歴史
天神祭りの始まりは、平安時代の中期951年。
途中で中断した時もあったとおっしゃる方もあろうが、
それは「神賑行事」=渡御行列などが中断しただけで、
宮司による「神事」だけは途切れることなくしっかり続いている。
極端に言えば、神事自体は宮司一人でもできる。

ちなみに、船渡御が中断したのは、戦国時代、幕末維新期、戦時中の計3回。
平成12年(2000年)の7月25日には、
香惇皇后(昭和天皇の奥様)「剣葬の儀」があったが、
25日に神事を執り行い、神賑行事は26日にずらしている。

この機転、実に大阪らしい。

ついでに申し上げると、
神田祭りの発祥は、徳川家康の天下統一を機に発祥している。
つまり、江戸時代からの祭り。

一方、祇園祭りは、863年、神泉苑で行われた御霊会に端を発すが、
毎年、行われるようになったのは、1世紀後の970年。

それやこれやを総合して
「天神祭り」は、日本一の祭りである。
「三大」のひとつに入れられて、
喜んでいる場合ではない。


高島先生の講義は、きわめてアカデミックな高尚漫談であった。

(これは、高島先生の講義を元に綴ったものですが、後からぼくが個人的に調べて書いた部分もあるので、
 もし、間違い等がございましたら、どうかぼく宛てにお知らせ願いします)


大阪の神さん仏さん大阪の神さん仏さん
(2012/08/10)
釈徹宗、高島幸次 他

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ところで、「三重構造」のお話しを伺いながら、
ぼくは『神戸ルミナリエ』のことを思い出していた。
あれは、震災犠牲者を鎮魂するのが目的。
単にクリスマス時期のイルミネーションイベントになっちゃいけないよなぁ・・・

天神祭りもそう。
花火にばかり気を取られて、神事に目がいかなくなるのは本末転倒。

今年も、しっかりとこのことを念頭に、
「大阪商工会議所」の奉拝船のご案内役を勤めさせて頂きます。
「天神祭り」咄は、これからしばらくシリーズでお届けする予定です。


さて、ここでひとつお知らせ。

『第13回 蝶六の会 天神祭り宵々宮公演』を
7月23日(火)18時30分から繁昌亭にて開催します。

「牛褒め」桂治門 天満宮の神使・牛に因んで。
「御先祖様」桂蝶六 二代目春蝶の作品を改作して、道真バージョン。  
「遊山船」月亭文都(月亭八天改め) 大阪夏の風物詩、大川の船遊び。
  中入り
「上方唄」三川美恵子(三味線:平田千春) 『菅丞相』ほか。
「質屋蔵」桂蝶六 道真公が登場する咄。


その他の詳細は、近日、このブログにてお知らせします。

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蝶六改メ三代目桂花團治

Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

http://hanadanji.net/

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