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64.天神さんの涙雨 天神祭り其の2

「天神祭り」の日、雨が降ると、
「菅原はんが泣いてはる」と、人は言う。

どういうわけか、天神祭りには雨が多いと、
ぼくは思い込んでいたが、どうやらそうでもないらしい。

gooで調べると、昭和36年以降のデータが出てきた。
それによると、雨が降ったのは、この30年間で
昭和49年、昭和57年、平成12年、平成18年、平成21年の5回だけ。

あれは確か平成18年だったろうか、
ぼくが乗った船が出航してまもなく土砂降りに見舞われたことがある。
ぼくは、奉拝船の司会と案内係として乗船していた。
幸い、通り雨だったので、すぐにカラッと晴れるには晴れたが、
お客様もポカンと口を開けたまま途方にくれた様子だった。

無理もない。
お客様は全身濡れ鼠。
ビールでやけ酒しようにも、肝心の肴になる弁当は水浸し。

乗船していた全員の目が、なぜか案内役のぼくの方に注がれた。

「この後、どうしてくれんねん!」

咄嗟のことに、ぼくは「鉾流し神事」の説明を始めた。

hokonagasi.jpg


「鉾流し神事」というのは、「天神祭り」宵宮の朝、堂島川で行われる行事で、
神童の手によって、神鉾が流され、ご神意をお伺い致します。

かつて、社頭の浜から神鉾を流し、
流れついた浜を御旅所と定めて御祓を行いました。
その折、氏子の皆さんが船を仕立てて奉迎したのが
天神祭の始まりとされています。

またその際に、型代(かたしろ)=人形にくり抜いた紙も一緒に流すんですが、
これには、身にとりついた不幸や災難を、その型代に託して
「水に流す」という意味合いがあるわけで、

つまり、皆さんが、今、通り雨に遭われたということは、
託すどころか、正味、そのまま流して頂いたということで、
これは誠に縁起のええことでございます。


勿論、「正味、そのまま、流して頂いた」というのは、咄嗟に思いついた嘘、つくり話。

でも、そこは落語家のいうこと。
我が奉拝船のお客様はそんなことは百も承知で、

「ホンマやで!こら、ええ天神祭りになったがな」
「こら幸先がよろしいな」と
おおいに快哉を叫んで、船を盛り上げてくれたのであります。
花火の方も、雨が空をキレイに洗い流してくれたおかげでしょうか、
とても鮮やかに映えておりました。

命に別状もなく、多少の災難や不幸であれば、
ネタにしたり、喜びに変えたり、
これぞ大阪人の面目躍如といったところで
ありましょうか。


いやしかし、我ながら、
よくあんな嘘を思いついたもんやなあと思います。
スタッフやお客様からお褒めの言葉を頂きました。

「雨降って、地位、高まる」

ぼくは、今年も「大阪商工会議所」の船で、ご案内役を勤めさせて頂く予定です。

天神祭りのホームページ


さて、ここでひとつお知らせ。

『第13回 蝶六の会』天神祭り宵々宮公演を
7月23日(火)18時30分から繁昌亭にて開催します。

「牛褒め」桂治門 天満宮の神使・牛に因んで。
「御先祖様」桂蝶六 二代目春蝶の作品を改作して、道真バージョン。  
「遊山船」月亭文都(月亭八天改め) 大阪夏の風物詩、大川の船遊び。
  中入り
「上方唄」三川美恵子(三味線:平田千春) 『菅丞相』ほか。
「質屋蔵」桂蝶六 道真公が登場する咄。


その他の詳細は、近日、このブログにてお知らせします。


桂蝶六のホームページ
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蝶六改メ三代目桂花團治

Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

http://hanadanji.net/

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