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74.指南の技 繁昌亭落語家入門講座4

「繁昌亭落語家入門講座」13期も、この日で4回目。25名の出席。
今、受講生は『兵庫船』に取り掛かっている。

登場人物も増え、所作も複雑になってきて、少し戸惑いも見えるが、
ぼくのほんのちょっとした一言にもよく反応して笑ってくださるところを見ると、
概ね皆さん方は、まあまあ楽しんでおられるのでしょうか。

ぼく自身は、サブ講師として結構楽しませてもらってます。
これが、米輔師匠のように主任となれば、いろいろ気苦労が加わるんでしょうが。

hannjouteikouzayonesuke.jpg

この咄は、何といっても「おなじみの喜六と清八、うまの合うた二人連れ」。
仲の悪そうな二人になっては、どうも具合が悪い。
稽古の最中、緊張が勝ち過ぎると、
つい口調がキツクなったり、顔が強張ったり……
それ、よく分かります。

「笑わそう」意識が強くなり過ぎると、
必要以上にツッコミがきつくなったり、
それも、よく分かります。

台詞が肚に落ちてないと、目が宙を泳ぎだす。
これも、よくありがちです。

「他人より上手くやろう」「褒めてもらおう」という気持ちも大事ですが、
それが裏目に出ることの方が多い。
これは、おそらく「ぼく」ですね。
いや、み~んな、ぼくですね。

それから、あえて、ぼくが申し上げることではないでしょうが、
「ここで落語の稽古をする」ということは、
「気持ちのコントロールを身につける」ということにも
繋がっているような気もします。


単に「落語が話せるようになった」というだけではつまらないわけで、

「分かりやすく話せるようになった」はもちろんのこと、
「穏やかに話せるようになった」とか、
「落語をするようになって、人間が好きになった」とか、
「部下が自分の言うことをよく聞くようになった」とか、
「話すより、むしろ聞くようになった」とか、
「気が長くなった」とか、

……ぼくのこれまでの講師経験のなかでも、このような色んな事例がありました。


ただですね。いつも思うんですよ。
ぼくのような者が、偉そうに「教えて」いていいんだろうかって。

だからね、ぼくは最近いい言葉を覚えました。

「教える」んじゃなくて、「指南」でいいじゃないかって。

「指南」は、「教える」というより、
進むべき方向を「指し示す」というニュアンスがありますよね。
だから、「指南」の心持ちで行こうと思っています。
ぼくは皆さんより落語の道を少し先に歩いている者として、
一緒に学んでいこうじゃないかって。

それに「教える」っていうことが、過剰な思い上がりになって、
どこか「上から目線」に繋がりそうで、自分でもちょっと怖い気もしますし。


ともあれ、受講生の皆さんが少しずつ「らしく」なっていく様は、
ぼくとしても非常に嬉しい限りです。

こんな指南ですが、どうかあと半年、お付き合いください。

「お願いやから、指南と居てくれ!!」

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コメント
21:しなんの教え by miyagi on 2013/05/28 at 12:17:31

指南とはまたいい言葉ですね。

プロになられても進化する気持ちを
持ち続けるってすばらしいです。
そんな先生に学べることに感謝です。

大辞林で調べたら、
四難、至難、指南
ちなみにしなんの技とは至難と書くんですね。


指南を受け、四難に徹し死なんと至難に立ち向かう。
(^-^;)いえ、すみません。ちょっと使ってみました。

基本は同じなんでしょうけれども
先生によって多少の解釈が違うのか
そこに右往左往してしまい、
でもそれはいい訳で
やはりセリフはきちんと落とし込んでおかないと

何を言われてもそれを咀嚼する余裕が
ないのは
もったいないと思いました。

また次回からどんな自分を出していけるのか
リラックスして望みたいと思います。
楽しみにしてます!

みやぎ





22: by 桂蝶六 on 2013/05/28 at 18:16:14 (コメント編集)

みやぎさん、コメントありがとうございます。
ここには、なかなかコメント頂けないなって、
少し寂しく思っていたんです。

今日も繁昌亭の楽屋で、春之輔師匠から
「どや、しっかりやれてるか?」と
聞かれました。ぼくも今期で講師2期目。
ぼくに白羽の矢を立ててくれたのは、春之輔師匠なんでね。
ずいぶん気にかけてくれてるみたいです。

色々迷わせたり、ご迷惑おかけしていると思います。

でも、基本は米輔師匠。
ぼくも皆さんと一緒に、米輔師匠をしっかり飲みこむように努めます。

あ、それから、もうお気づきだと思いますが、
指南っていうのは「イシス編集学校」というところの影響です。
ぼくは、ここの学衆なんです。

落語から「方法」を取り出して、いろんなことに応用できないかなと
思考錯誤の毎日です。

落語ほど優れた教材はない!

四難に徹し死なんと至難に立ち向かう。
ちょっと使わせて頂きました。

どうか、あとわずかですが、
よろしくお願いします。

プロフィール

蝶六改メ三代目桂花團治

Author:蝶六改メ三代目桂花團治
落語家・蝶六改め、三代目桂花團治です。「ホームページ「桂花團治~蝶のはなみち~」も併せてご覧ください。

http://hanadanji.net/

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